これからオーストラリアに行く方の海外旅行保険の選び方
(オーストラリア・シドニーのオペラハウス)
豊かな自然が魅力なオーストラリアは、観光客だけでなく留学やワーキングホリデーでも人気の国です。
温暖な気候に加えて、日本との時差がわずか1時間であることも人気の要因です。
オーストラリアの医療技術・衛生面は世界トップクラスですが、手術や入院することになったときにかかる医療費は日本よりもかなり高額なので、海外旅行保険には必ず入っておきましょう。
病院間を搬送することになった際の費用も高額になるので、海外旅行保険の医療費補償は最低でも1000万円はつけておくべきです。
また、持ち物(携行品)の補償もあったほうが良いでしょう。
オーストラリアの治安は良いですが、シドニーなど人気の観光地や都市部ではスリや強盗の被害も多数報告されています。
保険に加入するときは、携行品を補償してくれるプランに加入しましょう。
主要各社の海外旅行保険の価格・特長比較
5泊6日(旅行期間6日間)のオーストラリア旅行を想定し、人気4社の海外旅行保険を分析します。 さきほど書いたようにオーストラリアでは「医療補償は最低でも1,000万円は必要」ですので、医療補償が1000万円のプランを比較しています。
損保ジャパン 日本興亜 |
三井住友海上 火災保険 |
AIG保険 | JI傷害 火災保険 |
---|---|---|---|
総合評価 |
総合評価 |
総合評価 |
総合評価 |
2,570円 (PAプラン) |
2,360円 (タイプA) |
5,680円 シンプルプラン |
2,510円 (節約プラン) |
安さ
サービス 満足度 |
安さ
サービス 満足度 |
安さ
サービス 満足度 |
安さ
サービス 満足度 |
実際にオーストラリアで起きた手術・入院費用例
実際にオーストラリアで起きた治療費事例を紹介します。
入院したり病院間搬送されると、かなり高額な費用がかかります。
腰骨を骨折して手術と6日間入院。299万円の治療費がかかった。
海辺で釣りをしている時、岩場より落ちて腰骨を骨折した。
手術をして6日間の入院をする。
退院後、看護師が付き添いのもと担架で帰国。帰国後も通院治療をした。
子宮内膜症の治療で393万円かかった。
オーストラリア滞在中に激しい腹痛・めまい・吐き気を感じて受診。
子宮内膜症と診断され、6日間入院して手術もした。
肺気胸で18日間入院し、650万円かかる。
呼吸が苦しくなり、咳の症状で受診。
肺気胸と診断され、18日間入院し、手術もした。
エアーズロックで転び大ケガ。胸椎圧迫骨折で388万円かかる。
エアーズロックを観光中に転倒し、顔面を強打してヘリコプターで搬送される。
胸椎圧迫骨折と肋骨骨折と診断され、現地から設備の整った病院へ搬送され、4日間入院した。
家族も現地へ駆けつけた。
オーストラリアの治療費相場
オーストラリア(シドニー)の治療費の相場は次の通りです。下記の金額は目安であり、実際の金額とは異なる場合があります。
また、地域によっても治療費の相場は異なるのでご注意ください。
日本の医療費 | オーストラリアの医療費 | |
---|---|---|
個室使用料 (1日あたり) |
3~4万円 | 83,000円 |
ICU使用料 (1日あたり) |
約10万円 | 99,700円 |
虫垂炎 (入院2日) |
約40万円 (10割負担の場合) |
【公立病院】 約35万円 【私立病院】 約43万円 |
日本への 医療搬送費用 |
- | 5,814,200円 (定期便利用、医師・看護師各1名付き添い) |
※参照:東京海上日動火災保険「世界の医療と安全2014年」より
医療搬送にチャーター便を利用するとさらに高額になります。保険による備えが必要です。
オーストラリアの治安、衛生について
シドニーの治安について
オーストラリアの治安は比較的良いとされていますが、スリや強盗などに巻き込まれる日本人は多くいます。
中でも、レストランやカフェで食事中にカバンを盗まれるケースが多いようです。
大都市シドニーでは、薬物犯罪や盗難が多いことが特徴です。 特に、キングクロス地区やレッドファーン地区はシドニーの中でも治安の悪い地区なので訪れる場合は気をつけてください。
携帯電話の操作に夢中になりながら歩いたり、女性の方が夜に一人歩きするのは絶対にやめましょう。
【シドニーでの日本人の被害例(外務省が公表したもの)】
- [強盗の被害]
- 午後11時頃、シドニー郊外のホームステイ先に帰宅途中、追いかけてきた男性に旅券等入りのカバンを強奪された。
- [盗難の被害]
- シドニー市内のレストランで食事をしていたところ,隣の席に置いていた旅券入りカバンを盗まれた。
- [盗難の被害]
- バックパッカー用ホテルに宿泊していたところ,シャワーを浴びている間に,施錠を忘れた貴重品ロッカーに入れていた財布の現金を盗まれた。
メルボルンやその他エリアの治安や衛生について
オールトラリア第二の都市メルボルンでも、置き引きやスリの被害が総領事館へ多く報告されています。安全だと言われている地域であっても、夜は様子が変わるので、一人歩きはやめましょう。
メルボルン北西部は、特に治安が悪い地域と言われています。
ゴールドコーストやケアンズといった人気の観光地が多いクイーンズランド州は、日本人観光客も多く訪れます。
治安は比較的安全とされていますが、観光客を狙ったスリや置き引きが発生しています。
衛生面に関しては日本と同様に世界最高水準であり、水道水も安心して飲むことができます。
街中もとてもきれいで、ゴミのポイ捨てが見つかると罰金を科せられることもあります。
ポイ捨ては絶対にやめましょう。
オーストラリア旅行・滞在で気をつけること
VISA申請や入国審査
オーストラリア旅行へ行くときは、短期の旅行であってもビザが必要です。
電子申請となるので、出発前に忘れずに申請しましょう。
またオーストラリアの入国審査は厳しく、野菜や果物、肉製品や乳製品だけでなく、加工食品の持ち込みも禁じられています。 持ち物には気をつけてください。
罰金システム
日本では罰せられない行動であっても、罰金を科せられることもあります。
さきほど書いたゴミのポイ捨て以外にも、場所によってはビーチでの飲酒で罰金を科せられます。
「歩行者の信号無視」や「交通機関で席や設置物に足を乗せる」等、ついうっかりやってしまったことで罰せられることもあるので注意しましょう。
日本とは大きく違う、オーストラリアの独特な医療システム
日本では「目の調子が悪いなら眼科」「耳の調子が悪いなら耳鼻科」というように、最初から専門医で受診することができますが、オーストラリアではまず「GP(General Practitioner/総合診療医)」を受診する必要があります。 これは観光客も同様です。
GPを受診し、GPが必要と判断した場合に精密検査や専門医の受診ができます。
救急時であれば直接専門医へ行くこともできますが、緊急性が低いと判断されれば診察が後回しになったり、GPの受診を勧められることもあるのでご注意ください。
海外旅行保険の加入が義務化される方針
オーストラリアでは、保険未加入の外国人観光客による医療費未払いが問題となっています。
未払いとなった医療費はそのままオーストラリアの負担になっており、シドニーのあるニューサウスウェールズ(NSW)州では外国人観光客に対して保険加入の義務化を進めています。
(日本でも同じように、外国人観光客の医療費踏み倒しが問題視されています)。
自分自身のためだけでなく他国に迷惑をかけることがないよう、海外旅行保険には必ず加入してから渡航するようにしましょう。
最後にこの記事のまとめ
- ・オーストラリアの医療費は高いので、海外旅行保険には必ず加入しておくこと
(いずれ海外旅行保険の加入が義務化されるかもしれない) - ・保険の治療費補償は1000万円は欲しい。携行品補償もあると良い。
- ・治安は全体的に良いが、日本と同じ感覚でいると危険。
- ・入国審査、罰金制度、医療制度など日本と異なる点が多いので注意。