カナダに行く方の海外旅行保険の選び方
(写真は、カナディアンロッキー)
豊かな自然が多いカナダは、200以上の民族が暮らす多民族国家です。
現地に住むアジア人も多く、観光地だけでなく留学先としても人気の国ですね。
さて、カナダへ行くときに加入する海外旅行保険選びでは現地の医療事情を考慮することが大切です。
カナダにある病院の医療技術は高いので、大体どこの病院に行っても安心して治療を受けることができますが、カナダの病院はアクセスが悪く待ち時間がとても長いのです。
救急病院では症状の重い方が優先的に診察を受けるので、症状がそれほど重くない場合は数時間待たされることもあります。
また、カナダでは一般的に家庭医の診察を受けた上で専門医を紹介してもらうのですが、観光客のように家庭医を持たない方の場合は、ショッピングモール等にある簡易医療施設「ウォークインクリニック」で受診することになります。
ウォークインクリニックは大体が混雑しており、検査機器もそれほど充実していません。
待ち時間の少ない民間の医療機関もありますが、まだまだ数が少ないのが現状です。
さらにカナダの医療費はとても高額です。
もし大怪我をしてICUに入院などすれば、1日90万円以上かかることもあります(後述参照)。
このような医療事情を考えると、海外旅行保険への加入は必須であり、医療費用補償も最低でも1000万円の補償は必要でしょう。
病状によっては別病院に医療搬送されることもあり、その医療搬送費用を考慮すると補償金額をもっと上げてもいいかもしれません。
クレジットカードの海外旅行保険は使えるの?
海外旅行保険が付帯されたクレジットカードを複数枚持って、医療費に備えようとする方もいますが、正直に言ってお勧めできません。
クレジットカード付帯の海外旅行保険では医療費用の補償金額が低く、もらえる保険金額では足らず自腹になったというケースも実際にあります。
他にもキャッシュレスサービス(現金がない状態でも治療を受けられるサービス)が利用できないカードもありますし、医療機関の紹介サービスがないカードもあります。
カナダの医療施設の問題を考慮すると医療機関の紹介サービスは重宝しますので、クレカ付帯保険だけで済ますのではなく、保険会社が販売している海外旅行保険に加入することをお勧めします。
主要各社の海外旅行保険の価格・特長比較
4泊5日のカナダ旅行を想定し、人気4社の海外旅行保険を分析します。
「医療費の補償は最低でも1000万円は必要」と考え、治療・救援費用補償が1000万円プランを比較しています。
価格の安い保険会社であれば2,000円の保険料で、1,000万円もの治療費用の発生に備えられます。
【カナダ旅行4泊5日の場合】損保ジャパン 日本興亜 |
三井住友海上 火災保険 |
AIG保険 | JI傷害 火災保険 |
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総合評価 |
総合評価 |
総合評価 |
総合評価 |
2,100円 (PAプラン) |
2,030円 (タイプA) |
5,380円 シンプルプラン |
1,970円 (節約プラン) |
安さ
サービス 満足度 |
安さ
サービス 満足度 |
安さ
サービス 満足度 |
安さ
サービス 満足度 |
実際にカナダで起きた事故事例
カナダ旅行中に実際にかかった治療費用金額の事例です。
脳炎で19日間入院し、3,890万円の治療費用
カナダ滞在中に口から泡を吹いて倒れ、救急搬送される。
脳炎と診断され、19日間入院した。
現地へは日本から家族が駆けつけて、医師・看護師の付き添いの元、チャーター機で医療搬送された。
腹膜炎で10日入院。入院費用で535万円かかった
滞在先で頭痛・腹痛・嘔吐を訴え、医療機関で受診。
腹膜炎と診断され、10日間入院し、手術を受けた。
現地へは日本から家族が駆けつけた。
脾臓損傷による入院・手術で331万円かかった
スノーボード中に転倒し、現地で受診。脾臓損傷と診断され、10日間の入院および手術を受けた。
現地へ日本から家族が駆けつけた。
憩室炎で救急車搬送。入院費用等で330万円かかった。
強い腹痛を訴え、救急車で搬送される。
憩室炎と診断され5日間入院し、現地には家族が駆けつけた。
落馬による骨折で13日間入院し、594万円かかった
乗馬中に落馬し、寛骨臼骨折と診断され13日間の入院および手術をした。
現地には家族が駆けつけ、看護師付き添いの元医療搬送で帰国した。
カナダの医療費用の相場
カナダで入院や手術をした際の主な医療費相場を掲載します。 日本に比べると相当高いことが分かります。
医療搬送費用は、チャーター機を利用すると更に高額になります。 現地に住む方は健康保険で医療費が無料ですが、観光客はこれらの費用が全額自己負担です。
日本の 医療費 |
カナダの 医療費 |
|
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個室使用料 | 3~4万円 /日 | 約119,400 ~397,900円 /日 |
ICU使用料 | 約10万円 / 日 | 約238,700 ~954,900円 / 日 |
盲腸手術費 | 約60万円 (入院4日間) |
約159,200円 (入院3日間) |
日本への 医療搬送費用 |
- | 約3,581,100 ~4,376,900円 ※定期便利用、医師・看護師各1名が付き添い、ストレッチャー使用の場合 |
※参照:東京海上日動火災保険「世界の医療と安全2014年」より
カナダの治安、衛生事情について
カナダは旅行だけでなく留学先としても人気ですが、犯罪発生率は日本の5倍とも言われています。
やはり日本より治安が良い国はなかなか無いものです。
観光客を狙うスリや置き引きも多発しているので、人ごみへ行くときは十分に注意してください。
また、カナダはアメリカに比べて銃規制が厳しいのですが、近年はアメリカからの銃の密輸が増えており、銃を使った強盗も発生しています。
夜間の一人歩きや人通りの少ない通りを歩くのは控えましょう。
衛生面に関しては問題ありません。レストランや屋台でも安心して食事をとることができます。
カナダ旅行・滞在で気をつけること
カナダでは日本と異なることが多々あります。
日本では落し物をしたら交番へ届け出ますが、カナダでは「Lost & Found」やオンラインコミュニティサイト「Craigslist」から探すことになります。
もしパスポート等の貴重品を紛失したときは現地警察や日本領事館へ届け出てください。
また、カナダでは飲酒に関しても厳しい規制があります。
お酒を飲める場所は、レストラン・バーか自宅のみです。
日本のように公共の場(公園や公共交通機関内)でお酒を飲むことが禁じられており、違反した場合は罰金を科せられます。
飲酒時間も午前0時までと決められているので気を付けましょう。
また余談ですが、バスの運転手さんがドリンク休憩やトイレ休憩にために、ルートを外れることがよくあります。
日本では考えられないことですが、カナダでは当たり前のことのようです。
最後にこの記事のまとめ
- ・カナダの医療費は高いので海外旅行保険への加入は必須!
- ・病院はアクセスが悪く、待ち時間も長いところが多い。
- ・カナダの治安は良いと言われているが、それでも犯罪率は日本の5倍。最近は銃犯罪も増加傾向。
- ・お酒を飲む方は飲む場所や時間に気を付けること。