中国旅行ではどんな海外旅行保険を選んだらいい?
(写真は、上海の夜景)
中国は国土が広くて地域によって気候が大きく異なるため、観光するうちに気温差で体調不良自然になる方もいますし、足場の悪い場所で転倒をしてケガをするなど、現地で医療機関にかかる日本人も多くいます。
中国の医療費は欧米ほどではないにしても高額な国です。
上海や北京などの都市部の病院では日本に比べてはるかに高い医療費を請求されることもあり、万が一の入院・手術に備えて海外旅行保険に入っておく必要があります。
海外で医療機関にかかると治療費以外にも費用がかかります。
例えば入院ともなれば日本から家族が駆けつけることになりますし、医療搬送で日本へ帰国することもありますからね。
外務省でも海外旅行保険の加入を強く推奨しているほどです。
日本よりはるかに高額の医療費(緊急入院1日あたり10~20万円、日本への移送数百万から一千万円)を請求されることもしばしばです。
ただし、ほとんど全ての医療機関は海外旅行傷害保険が使用できますので、たとえ短期であってもこれらに加入しておくことを強くお勧めします。
それと海外旅行保険に加入しておくと通訳サービスも受けられるので、日本語の通じない公立病院に搬送されても安心です。
また、人の多い中国では、スリやひったくりに被害が多々ありますので、海外旅行保険では携行品(持ち物)に関する補償もつけておくと良いでしょう。
主要各社の海外旅行保険の価格・特長比較
3泊4日の中国旅行を想定し、人気4社の海外旅行保険を分析します。
「治療・救援費用補償は最低でも1000万円は必要」と考え、治療・救援費用補償が1000万円プランを比較しています。
損保ジャパン 日本興亜 |
三井住友海上 火災保険 |
AIG保険 | JI傷害 火災保険 |
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総合評価 |
総合評価 |
総合評価 |
総合評価 |
1,590円 (PAプラン) |
1,570円 (タイプA) |
4,000円 シンプルプラン |
1,420円 (節約プラン) |
安さ
サービス 満足度 |
安さ
サービス 満足度 |
安さ
サービス 満足度 |
安さ
サービス 満足度 |
料金(保険料)は各保険会社のHPからの抜粋です
中国旅行で海外旅行保険を利用した人の投稿
【加入した海外旅行保険:AIG損害保険会社】
「中国に居ても日本語で手助けしてもらえる安心感が大きかった」
(★★★★★ 40代女性/静岡県在住)
数年前に、中国で階段から落ちて、怪我をした時にお世話になりました。
語学は苦手ではないのですが、そうゆう状況になってしまうと、何をしてよいかわからず、日本語のアシスタントサービスが助かりました。
打撲と皮膚を少し縫っただけでしたが、8万円ほどかかったみたいで、キャッシュレスサービスもありがたかったです。
「引用元:AIG損保の海外旅行保険のクチコミ」より
中国で起きた治療費用の事例
実際に現地病院への通院・入院でかかった費用事例を紹介します。
脳梗塞・肺炎で819万円
昼食中に右半身に力が入らなくなり、救急搬送される。
脳梗塞・肺炎と診断され26日間入院。
現地には家族が駆けつけ、医師・看護師に付き添いの元、医療搬送で帰国。
ウイルス性脳炎で645万円
発熱・咳・頭痛を訴え、現地の医療機関で受診。
ウイルス性脳炎と診断され、18日間入院をし、現地には家族が駆けつけた。
心筋梗塞で607万円
首・肩の痛みが続き、息苦しく寝付けなくなり受診。
心筋梗塞と診断され6日間入院し、現地に家族が駆けつけた。
骨折で414万円
カート場で運転中に壁に衝突。
腰を強打したため受診したところ、腰椎圧迫骨折・尺橈骨骨折と診断され17日間の入院および手術をした。
転倒で脛骨を骨折して約1025万円
観光中に濡れた道で足を滑らせ転倒し、脛骨骨折と診断される。
合併症の危険があり、医師・看護師が付き添ってチャーター機で医療搬送で帰国し61日間入院した。
中国の医療費用の相場
中国(上海)の入院や手術、治療費用の相場です。
中国の病院では最初に窓口で支払いをしてからでないと受付が始まりません。
救急車で運ばれても同様で、本当に生きるか死ぬかと言った状況でなければ,先にお金の支払いを求められます。
日本の医療費 | 中国の医療費 | |
---|---|---|
個室使用料 (1日あたり) |
3~4万円 | 【公立病院】 19,400~25,900円 【私立病院】 64,900~90,800円 |
ICU使用料 (1日あたり) |
約10万円 | 【公立病院】 129,700円 【私立病院】 285,300円 |
盲腸手術 | 約40万円 (10割負担の場合) |
【公立病院】 648,500~ 1,037,600円 【私立病院】 1,815,800円 |
日本への 医療搬送費用 |
- | 1,140,700円 (定期便利用、医師・看護師各1名付き添い) |
※参照:東京海上日動火災「世界の医療と安全2014年」
中国の治安、衛生について
都市部と郊外の治安状況の違い
中国は、上海や北京といった大都市の治安は比較的安定しています。
大都市では殺人等の重大な犯罪に日本人が巻き込まれることはほぼ無く、夜の外出も可能です。
ただ多くの人が訪れる都市であるので、スリやひったくり、置き引きには気をつけてください。
また悪徳タクシーにも注意が必要です。
不当に高額な料金を請求してくるタクシーもいるので、少しでもおかしいと思ったら早めに降車しましょう。
治安の悪い地域は、広東省の都市に多いと言われています。 例えば広州は、北側の旧市街地はチャイニーズマフィアが牛耳っている危険な地域です。
他にもチベット・ウイグル地区は外務省の渡航情報でも注意喚起されている地域ですから、訪れる場合は気をつけてください。
中国の衛生事情
衛生面では、飲み水とトイレに注意が必要です。
中国の水自体は問題なくても、水道管が不衛生で蛇口から出るまでの間に濁ってしまうこともあります。
飲料水に水道水を使う場合は必ず沸かしましょう。できれば、飲料水はミネラルウォーターを購入した方が良いですね。
トイレに関しては「中国のトイレはドアがない」「とても汚い」といったことを耳にしたことがあるかもしれません。
最近の中国では大都市を中心にトイレの衛生状態は改善していますが、地方へ行けばまだまだ衛生状態が悪いトイレも多くあります。
また中国の公衆トイレはトイレットペーパーが無いことが多いので、忘れずに用意しておきましょう。
トイレットペーパーを流さないように気をつけてくださいね。
その他に中国で気をつけること
大気汚染による健康被害
中国は大気汚染が社会問題になっています。
慣れない空気のもとで旅行者が体調を崩すこともよくあるケースです。
訪れる地域や季節・天気によって大気の状態は大きく異なりますので、事前に大気汚染の状況を確認しマスク等を持参して対策しましょう。
中国の大気汚染状況はこちらのサイトで確認できます。
http://aqicn.org/city/
中国では「安すぎる食べ物」には気をつけましょう。
中国では美味しそうな料理が並んだ露店も多くありますが、あまりにも価格が安い食べ物は何を材料としているか分からず、現地の方も警戒しています(過去には、ネズミ肉を羊肉として売っている屋台が話題になりました)。
食べ物を購入する場合は、適切な価格を支払い安全なものを購入するようにしましょう。
最後にこの記事のまとめ
- ・中国の医療費は日本よりずっと高い。特に北京や上海は高額。
- ・海外旅行保険には必ず加入しておくこと。
- ・大都市の治安は安定しているが、スリやひったくり、悪徳タクシーに注意。
- ・水道水はそのまま飲まない。トイレが不衛生なこともある。
- ・大気汚染は地域によるので事前チェックしておきましょう。