香港に行く方の海外旅行保険の選び方
(写真は、香港の夜景)
2019年11月14日追記
香港のデモに日本人男性が巻き込まれ大怪我を負う事件が起きました。
このデモへの海外旅行保険の対応について追記しました。
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夜景で有名な香港は、高層ビルが立ち並ぶ合間に中国の伝統的な寺院も見られるなど、独特な魅力のある観光地です。
日本からも近くて安く旅行へ行けることから、日本人観光客にも人気のエリアですね。
さて、香港旅行で気を付けることの1つに「気候」があります。
香港は湿度がとても高い国のため、旅行・滞在中に体調を崩してしまう日本人観光客が多くいます。
香港にある病院の医療技術は高いので体調が悪くなった時も安心して治療を受けられますが、治療費が安めの公立病院は非常に待ち時間が長いため、日本人観光客などの旅行者は待ち時間の少ない私立病院を利用することになります。
私立病院では治療費用が高額になるため、海外旅行保険で備える必要があります。
基本的に海外で医療機関にかかると、日本と違って健康保険が効かないので治療費用はかなり高額になります。
クレジットカードに海外旅行保険がオマケレベルで付帯していることもありますが、カード付帯保険は医療費保障の金額が低すぎるため、手術・入院にかかった費用を支払えなくなったケースも実際にあります。
治療救援費用の補償が最低でも1000万円ある海外旅行保険に加入しておくと良いでしょう。
主要各社の海外旅行保険の価格・特長比較
3泊4日の香港旅行を想定し、人気4社の海外旅行保険を分析します。
「治療・救援費用補償は最低でも1000万円は必要」と考え、治療・救援費用補償が1000万円プランを比較しています。
損保ジャパン 日本興亜 |
三井住友海上 火災保険 |
AIG保険 | JI傷害 火災保険 |
---|---|---|---|
総合評価 |
総合評価 |
総合評価 |
総合評価 |
1,590円 (PAプラン) |
1,570円 (タイプA) |
4,000円 シンプルプラン |
1,420円 (節約プラン) |
安さ
サービス 満足度 |
安さ
サービス 満足度 |
安さ
サービス 満足度 |
安さ
サービス 満足度 |
料金(保険料)は各保険会社のHPからの抜粋です
香港で起きた治療費用の事例
実際に現地病院への通院・入院でかかった費用事例を紹介します。
入院や治療費用が高くなるのはもちろんのこと、外来治療だけでも4万円以上かかります。
飛行機内で体調を崩し、3日入院と医療搬送で約540万円
往路の飛行機内で気分の悪さと発熱を訴え、到着後に受診。
肺炎と診断され3日間入院し、現地に家族が駆けつける。その後、医師が付き添いの元、チャーター機で医療搬送された。
化膿性脊椎炎で19日入院し約340万円の入院費用
首の痛みで発熱、脱力を訴え受診。
化膿性脊椎炎、硬膜外腫瘍、肺炎と診断され19日間入院した。
捻挫の診察で約4万5000円の診察料金
ホテルの階段で足を踏み外し、病院を受診。
捻挫と診断されて、診察料金45,000円がかかった。
鼻のポリープで約104万円
鼻炎がひどかったため病院を受診したところ、診察でポリープが見つかり、入院・手術を行った。
出典:ジェイアイ傷害火災保険株式会社 海外旅行保険事故データ(2014年度~2017年度)
香港の治療費用の相場
日本と香港の入院や手術、治療費用の相場比較です。
ただ日本の治療費は健康保険適用前の金額ですので、実際の負担はこの金額の3割以下で済みます。
日本の医療費目安 | 中国の医療費目安 | |
---|---|---|
個室使用料 (1日あたり) |
3~4万円 | 31,800~115,300円 |
ICU使用料 (1日あたり) |
約10万円 | 48,200~72,300円 |
盲腸手術 (入院平均2~3日) |
①600,000円 ②4日間 |
405,800円 |
日本への 医療搬送費用 |
- | 2,990,400円 (定期便利用、医師・看護師各1名付き添い) |
※参照:東京海上日動火災「世界の医療と安全2014年」
香港の治安、衛生について
香港の治安は概ね良好ですが、日本人を狙ったスリや置き引きが多く発生しており、外務省では香港旅行者に注意を促しています。
治安状況は、犯罪発生率でみる限り良好と言えますが,日本人がスリや置き引きの被害に遭い,旅券(パスポート)などの所持品を盗まれるケースが多く報告されています。
また衛生面では、水質も先進国並みですが、2015年に水道管の結合部分から鉛が流出し水道水に混入する事故が起きています。
念のため飲料水は浄水器を通したものか、購入したミネラルウォーターを飲むようにしましょう。
また、香港は湿度が高いため、食べ物が非常に腐りやすいので食中毒にはご注意ください。
そのほかに香港旅行で気をつけることと
香港は1997年に中国へ返還されたものの、2047年まで特別行政区として自治権を持っています。
しかし、中国政府は香港の早期中国化を目指しており、その中国化に反対する市民がデモを起こすこともあります。
特に、香港が中国に返還された7/1には大規模なデモが行われるため、その時期に訪れる方は気をつけてください。
また、香港では定期的に鳥インフルエンザが流行しており、人への感染も報告されています。
念のため、渡航前には「在香港日本国総領事館のHP」」等で鳥インフルエンザの情報も確認しましょう。
香港の大規模デモ、海外旅行保険でどこまで補償されるか。
[2019年11月14日追記]
香港では大規模なデモが継続して発生しています。
私の友人が香港の日系企業で働いているのですが、デモの影響で駅がオープンしなかったり道が閉鎖したりするため、交通網が正常に機能しない時間帯が多いそうです。
また11月14日には日本人男性がデモに巻き込まれ、中国人と勘違いされ暴行される事件が起きており、日に日に香港の状況は悪くなってきています。
以下では渡航中にデモに巻き込まれてしまった場合、海外旅行保険の対応をまとめました。
デモに巻き込まれてケガをした時は治療費用補償の対象になる。
万が一デモ活動に巻き込まれてケガをした場合でも、海外旅行保険で補償されます。
(海外旅行保険の治療費用補償では、基本的に「戦争、その他の変乱、核燃料物資等」に起因するケガは補償されませんが、デモ活動はこれに該当しないと判断できます。)
ただし、デモに積極的にしていた場合はこの限りではありませんので、香港に旅行・滞在される方はデモにはできるだけ近づかないようにしましょう。
デモの影響による飛行機遅延も補償される。
海外旅行保険では、搭乗予定だった交通機関の遅延・欠航・運休等、やむを得ない事情で帰国できない場合は、72時間を限度に保険期間が自動延長されます。
また航空機が遅延する場合に負担した費用は、「旅行変更費用補償特約」や「航空機遅延費用等補償特約」の補償対象となります。
なお保険会社によって扱いが微妙に異なることもあるので、詳細は各保険会社にお問い合わせいただけると幸いです。
最後にこの記事のまとめ
- ・香港は気温・湿度が高く、体調を崩しやすい。
- ・海外旅行保険には必ず加入しておくこと。
- ・旅行者が行く私立病院は医療費が高額なので、保険の治療救援費用は最低1000万円必要。
- ・治安は良いが、日本人はスリや置き引きに狙われやすい。
- ・時期によってはデモに注意。