マレーシアに行く方の海外旅行保険の選び方
(写真は、マレーシアのペトロナスツインタワー)
マレーシアは近年急速に発展している国であり、伝統的な寺院と近代的なタワーが並ぶ景観が観光客に好評です。特に首都のクアラルンプールでは経済発展がめざましく、観光だけでなく移住先としても人気となっています。
さて、マレーシアに訪れる際には現地の医療事情を考慮して海外旅行保険を選びましょう。
マレーシアでは私立の病院であれば施設も整っており、安心して医療を受けることができます。
医療費は欧米に比べると安めですが、それでも日本で3割負担に慣れている私たちにとっては高額に感じるでしょう。
注意すべきこととして、マレーシアの私立病院では治療費を支払えるお金を持ってないと治療や診察を受けることすらできません。
私としては、マレーシアに行くのであれば治療費に関する保障(治療・救援費用補償)が最低でも1000万円ある海外旅行保険に加入することをお勧めします。
クレジットカード付帯の海外旅行保険を利用するという選択肢もありますが、正直に申し上げてあまりお勧めできません。
家族が現地へ駆けつける費用や医療搬送になった場合ではクレジットカード付帯保険では補償金額が足らなくなるケースもあります。
また、海外旅行保険に加入しておけばキャッシュレスで医療を受けることができるので、「手持ち金額がなくて治療が受けられない」という事態も避けられます。
主要各社の海外旅行保険の価格・特長比較
3泊4日のマレーシア旅行を想定し、人気4社の海外旅行保険を分析します。
「治療・救援費用補償は最低でも1000万円は必要」と考え、治療・救援費用補償が1000万円プランを比較しています。。
【マレーシア旅行3泊4日の場合】
損保ジャパン 日本興亜 |
三井住友海上 火災保険 |
AIG保険 | JI傷害 火災保険 |
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総合評価 |
総合評価 |
総合評価 |
総合評価 |
1,590円 (PAプラン) |
1,650円 (タイプA) |
4,000円 シンプルプラン |
1,290円 (節約プラン) |
安さ
サービス 満足度 |
安さ
サービス 満足度 |
安さ
サービス 満足度 |
安さ
サービス 満足度 |
実際にマレーシアで起きた事故事例
実際にマレーシアで起きた事故事例をご紹介します。
肝膿瘍などで30日間入院し、約2042万円の治療費
吐き気・下痢を訴え現地の病院で受診。肝膿瘍・敗血症・腎不全と診断され、30日間入院して手術を受ける。
現地には家族が駆けつけ、医師・看護師の付き添いの元、医療搬送にて帰国した。
足首骨折で約480万円の手術・入院費用
道路横断中に車と接触して足首を骨折し、19日間入院し手術を受ける。
現地には家族が駆けつけ、看護師の付き添いをうけながら医療搬送にて日本に帰国。。
くも膜下出血を起こし医療搬送され約720万円の費用
首の痛み・頭痛・両手の震えで現地の病院で受診。
くも膜下出血で17日間入院し、手術を受ける。現地には家族が駆けつけて、医療搬送にて帰国した。
ホテルで転倒して大腿骨頸部骨折。手術と入院費で約723万円かかった。
バスルームで転倒し、腰を強打する。大腿骨頸部骨折と診断され、手術を受け8日間入院した。現地には家族が駆けつけた。
マレーシアの医療費用の相場
マレーシアの医療費相場をご紹介します。
診察費用はそれほど高くはありませんが、医療搬送にかかる費用がとても高く、これがチャーター便となると更に高額になります。
医療費比較 | 日本 | マレーシア |
---|---|---|
個室使用料 | 3~4万円/日 | 【公立病院】 5,300円 【私立病院】 6,400円 |
ICU使用料 | 約10万円 / 日 | 【公立病院】 8,000円 【私立病院】 10,900円 |
盲腸手術 (入院3日間) |
約40万円 (10割負担の場合) |
【公立病院】 13,200円 【私立病院】 263,600円 |
初診料 | 2,820円 | 【公立病院】 8,000円 【私立病院】 16,000円 |
日本への 医療搬送費用 |
- | 2,253,700円 (定期便利用、医師・看護師各1名付き添い) |
東京海上日動火災保険「世界の医療と安全2014年」より
マレーシアの治安、衛生について
マレーシアの治安は日本より相当悪く、殺人事件で約2倍、強盗に関しては約25倍発生しているともいわれています。
犯罪の多くは、首都クアラルンプールではなく周辺の地方都市で多く発生しています。
しかし最近ではクアラルンプールでも軽犯罪が増加しており、置き引きやひったくりなどで日本人旅行者が被害にあうケースが増えています。
他の観光地と同様に、
・荷物は斜め掛けの鞄に入れる
・人通りの少ない道は歩かない
等の対策が必要です。
衛生面については、水に注意が必要です。
上水道の整備はされていますが、配管や貯水槽の管理の問題から生水を飲むことは危険です。
飲み水はミネラルウォーターの購入をお勧めします。
屋台の衛生面に不安を持つ方もいるかもしれませんが、マレーシアの屋台の衛生基準は厳しく、違反をすると罰則もあります。
屋台での食事は安心して楽しんでください。
その他にマレーシア旅行で気をつけること
マレーシアはイスラムの国であるため、左利きの方は要注意です。
イスラムでは、左手は「不浄」とされているため、左手を使うことはタブーとなっています。
日常的に左手を使っている方は気をつけてください。
また、「指差し」や「頭を撫でる行為」も失礼な行為とされています。
道を聞く時などにうっかり指を差したり、現地の子供の頭を撫でたりする行為はやめましょう。
特に左手で指差しや頭を撫でる行為をしたら、観光客と言えども許されないかもしれません。
またマレーシアの気候は常夏でありますが、伝統的な寺院やモスクの近くでは肌の露出を控えましょう。
女性は大きなストールを持っていくことをお勧めします。
最後にこの記事のまとめ
- ・海外旅行保険への加入は必須。医療保障は1000万円以上を用意。
- ・お金を持ってないと治療を受けられないこともある。
- ・マレーシアの治安は良くなく、クアラルンプールでの軽犯罪被害者も増加傾向。
- ・生水は飲まないこと。
- ・イスラム圏なので「左手の使用」「指差し」「頭撫で」「肌の露出」は厳禁。