海外旅行保険では地震の被害は補償してくれるの?
ここ数年、日本だけでなく世界中で大地震が相次いで発生しています。
このページでは、「海外旅行に行く時に加入する海外旅行保険で、地震による被害や損害、ケガがどこまで補償されるのか」を解説します。
日本人も犠牲になった最近の海外の大地震
海外旅行保険の解説の前に、まずは日本人が犠牲となった海外での大地震を2つ載せておきます。
その1:スマトラ島沖地震(インドネシア)
2004年12月に発生したマグニチュード9.1の大地震です。
20万人以上の犠牲者の大半が、津波による被害者でした。
この津波はインドネシアだけでなく、インド・スリランカ・タイ等の東南アジア全域に加えて、東アフリカ等にも被害を与えるほど大規模なものでした。
地震が発生したのはクリスマス休暇の時期であったこともあって多くの観光客が犠牲となり、その犠牲者の中には日本人観光客が40人も含まれていました。
その2:カンタベリー地震(ニュージーランド)
2011年2月に発生したマグニチュード6.1の地震では、クライストチャーチにあるビルが倒壊し、多くの方が犠牲になりました。 倒壊したビルには語学学校が入っており、犠牲者の中には28人もの日本人留学生が含まれていました。
このようにインドネシアやニュージーランドのように環太平洋造山帯に属する地域は、地震の発生頻度が高いことが多いので、地震にあう可能性は他の国に比べて高くなります。
海外旅行保険では地震はどこまで補償されるの?
さて、海外旅行保険には様々な補償(特約)がついていますが、地震に起因する事故で補償対象となるのは次の特約です。
特約の名前 | 補償内容 |
---|---|
傷害死亡・後遺障害特約、 疾病死亡特約 |
地震による死亡・後遺障害のときの保険金を支給 |
治療・救援者費用特約 | 地震による治療費用や、現地に家族駆けつけたときの費用を補償 |
賠償責任補償特約 | 賠償責任に関する補償 |
携行品損害補償特約 | 地震が原因による持ち物の損害を補償 |
旅行変更費用担保特約 | 地震による旅行キャンセルや途中帰国の際に発生する費用を補償 |
このように海外旅行保険ではほとんどの特約で、地震に起因する事故が補償されます。
地震が起きた時の被害で特に多いのはケガや持ち物の損壊、旅行変更ですから、それらが補償されると安心ですね。
ちなみに国内旅行を対象とした国内旅行保険では地震は補償対象外ですので、ご注意ください。
地震が補償されないのはどんなケース?
海外旅行保険の特約のうち、「航空機遅延費用等補償特約」や「航空機寄託手荷物遅延等費用補償特約」だけは地震の補償がされません。
つまり、地震により飛行機が遅延したり預けた手荷物が届かなかった時に負担した費用は、全て自己負担となります。
過去に、地震が起きたときに保険会社がとってくれる対応
旅行の最終日(海外旅行保険の終期日)に地震が発生して空港が閉鎖されると予定通りに帰国出来なくなります。
このような空港閉鎖のように止むを得ない事情で旅行者が帰国できなかった場合、保険会社は保険期間を自動延長の対応をしてくれます。
自動延長の期間は3日間(72時間)としている保険会社が多いようですが、帰国できるまで自動延長の対応をしてくれる保険会社もあるようです。
ちなみに地震ではありませんが、2008年にバンコクスワンナプーム国際空港(タイ)で反政府派の市民団体により空港が占拠され空港が閉鎖された際には、ジェイアイ傷害火災保険やニッセイ同和損保などの保険会社は、帰国できるまで保険期間を延長する対応をしました。