10月1日にラスベガスで銃撃事件があり、50人以上の死亡犠牲者と500人以上の負傷者を出しました。アメリカ史上最悪となったこの銃乱射事件は世界に大きな衝撃を与えました。
犯人は自殺しラスベガスの街は落ち着きを取り戻しつつありますが、無事に生還できた負傷者たちを思いもよらぬ事態が襲っています。
この事件を受けて、カナダでは様々なメディアが「海外旅行保険の必要性」について言及しています。
たとえばカナダのテレビ局であるCTVニュースでは、
「このような事件は、ニューヨークだろうとオーランドだろうとロンドンだろうとエドモントンだろうと、どこでも起きる可能性が十分にある。
旅行者は十分な補償のついた海外旅行保険に事前に入っておくことが大切だ。わずか25ドルで多くの不安を緩和できる。」
と伝えています。
同じくCBCでも
「保険に入ってるどうか必ず確認して!(Make sure you've got your coverage)」
と注意喚起をしています。
このことはカナダだけでなく、私たち日本人にとっても言えることでしょう。
日本人が海外で事故に巻き込まれたり体調を崩すケースは増えており、外務省でも海外旅行保険に加入することを推奨しています。
一般的に、海外旅行保険の約款では「戦争、その他の変乱」に関しては補償対象外となっていますが、テロは「その他の変乱」には含まれないため、
テロは海外旅行保険の補償の対象となります。
多くの保険会社がHPやパンフレット等に「テロは補償される」旨を明記しています。
例えば2015年に起きたフランス・パリの銃撃事件に関して、新・海外旅行保険off!を販売している損保ジャパンではこれを「テロ行為」と認定し、補償の対象とするお知らせを掲載しました。
[損保ジャパンが出したお知らせ文章]
日本時間で11月14日午前6時頃に発生したフランスパリ市内での銃撃事件等に伴う海外旅行保険の対応についてご案内します。
■ 本事件について、当社海外旅行保険(海外旅行総合保険、新・海外旅行保険off!、海外旅行傷害保険等)の取扱上「テロ行為」と判断し、対応します。
2.既契約の事故発生時の取扱い(有無責)
海外旅行保険においては、今回の一連のテロ行為に関連してケガをされた場合等について、約款および特約に基づき有責として取扱います。
今回のラスベガス銃乱射事件に関しては、現段階では犯人の宗教的または政治的思想が明らかとなっていないためテロとは認識されていないようですが、ほぼ間違いなく海外旅行保険で補償されるとみて良いでしょう。
最近インターネットやSNSでは「クレジットカードに無料の海外旅行保険が付帯されているから海外旅行保険はいらない」という書き込みを見かけますが、これは大きな間違いです。
おそらくクレジットカードの紹介料目当て(アフィリエイト)で「カード付帯保険を無料で得るためにカードを作ろう」というWebサイトやブログが増えているのだと思いますが、鵜呑みにしないように気を付けてください。
海外旅行保険で最も重要な補償は「治療費用」です。
クレジットカード付帯の海外旅行保険では治療費用の補償は高くても300万円ほどで、今回の銃乱射事件では3000万円以上かかるとみられているので、クレカ付帯保険では全然足りないですね。
銃乱射事件に巻き込まれないにしても、医療費が高額な外国で大きな治療・手術を受ければ、クレカ付帯保険の補償額はあっという間に超えてしまいます。
クレジットカード付帯の海外旅行保険は、あくまでカード会社が無料でつけてくれるオマケのサービスです。カード付帯の海外旅行だけに頼らずに、個別に海外旅行保険に加入することをお勧めしたいですね。
インターネットで加入するタイプの海外旅行保険であれば割安な保険料で加入できますし、クレジットカード付帯の海外旅行保険に上乗せする形で加入することも可能です。
どこの国へ行っても、今回のような悲惨な事件に巻き込まれる可能性はあります。渡航の際には、確実に海外旅行保険に加入してほしいと思います。