千葉市花見川区で自転車同士で接触事故。60代男性が死亡。

千葉市花見川区にある「花見川サイクリングコース」で、自転車同士の接触による死亡事故が起きました。
事故は日曜日の午後、2人はクロスバイク(タイヤが細くスピードを出しやすいロードバイクと、タイヤが太く耐衝撃性が高いマウンテンバイクを融合させた自転車)を運転し、グリップ同士が接触して転倒しました。

60代の男性が頭を強く打って病院に運ばれましたが、約7時間後に亡くなりました。
接触した相手の男性に怪我はなく、県警千葉北署は詳しい原因を調べています。

自転車事故が多発。自転車も責任は車と同じ。

ここ最近は自転車の売り上げが好調で、自転車の利用者が増えているというデータがあります。
これは新型コロナウィルスの影響で、満員電車などの公共機関を避けたり、運動不足を解消しようという動きだと思います。

元々、2011年の東日本大震災以降、防災の意味も兼ねて自転車を利用する人が増えました。震災の当日は道路が混乱し、公共機関が止まって、多くの人が帰宅できない帰宅難民となりました。

災害等に強い自転車ですが、利用者が増えると目立つのがルール違反する人や大きな事故です。
「自転車の事故なら大事にはならない」と思っている方も多いのですが、もちろん死亡事故にも繋がりますし、重度の障害を負わせて高額な賠償責任が発生したりしています。

自転車事故で注目を浴びたのが2008年、当時11歳だった少年が運転する自転車が女性と接触した事故です。
女性は一命を取り留めましたが、意識が戻らず、後遺症を負ってしまいました。
この事故は加害者の母親が監督義務を果たしていなかったとして、9,500万円の賠償を命じられました。

自転車は歩行者寄りと考える人も多いのですが、道路交通法上では「軽車両」、つまり車両扱いになります。
一度事故が起きると、加害者、被害者、そしてその家族もその後の人生を大きく変えてしまう恐れがあるのです。

千葉市の自転車保険の加入状況

自転車事故を防止しようと地域によって色々な工夫がされています。しかし、それでも自転車事故は多数起きてしまいます。

そこで起きてしまった事故に対して、被害者・加害者の負担を減らすために有効なのが「自転車損害賠償保険」(自転車保険)です。
千葉市も自転車利用者に自転車損害賠償保険への加入を来年2021年4月から義務付ける方針を決めました。

元々「市自転車を活用したまちづくり条例」で加入を努力義務としてきました。
これは2017年に出来た条例で、加入率は条例施行前より上がったのですが、ここ数年は横ばいとなり、努力義務から義務化する事で加入率を上げたいと考えているようです。

この「自転車保険の義務化」の動きは全国に広がっていて、兵庫県や大阪府は早い段階から義務化を行い、2020年4月からは東京都全域で義務化がスタートしました。
義務化した地域では加入率の増加に効果があったとされています

ただし、加入しなくても罰則規定はないためどこまで加入率が上がるかは不透明です。
自転車保険は子供から大人まで幅広い世代で乗るものなので、ルールを守るのはもちろんですが、事故が起きた時に負担を減らす保険の加入もしっかり行なっていきたいですね。