パキスタン北部でトレッキング中の日本人男性(64歳)が転落死。標高3,700mの景勝地「マスルールロック」にて。

2026年5月、パキスタン北部の山岳地帯でトレッキング中の日本人男性が行方不明となり、約1週間後に遺体で発見されました。
男性は岩の深い割れ目に転落したとみられています。

事故の状況:ガイドと別れた後、断崖の岩の間に転落か

パキスタン北部の都市スカルドゥ近郊にある景勝地「マスルールロック」に向け、日本人男性(64歳)が出発しました。

マスルールロックは奇岩が連なる人気のトレッキングスポットで、標高は3,700メートル超。
日帰りコースとして知られており、多くの登山者が訪れる場所です。

男性は現地ガイドとともに出発しましたが、現場付近でガイドと別れて単独行動に入りました。
しかし、事前に決めていた待ち合わせの時間になっても戻らず、ガイドが当局に通報。地元当局による捜索が開始されました。

捜索開始から約1週間後、男性の遺体がトレッキングコースをやや外れた断崖の岩の間で発見されました。
遺体は在パキスタン日本大使館関係者に引き渡されており、現地当局は「誤って転落した事故」と判断しています。

なお、一部メディアでは「ガイドを付けずに1人でトレッキングしていたとの情報もある」と報じられており、詳細は調査中です。
ご遺族のご意向により、男性の氏名は非公開とされています。

「マスルールロック」はどんな場所?

スカルドゥはパキスタン北部カラコルム山脈への登山基地として知られる町で、K2をはじめとする世界的な高峰への玄関口でもあります。
そのスカルドゥから車で約30キロ離れた「マスルールロック」は、奇妙な形の巨岩が連なる景観で観光客にも人気の場所です。

しかし、標高3,700メートルを超える高地であり、岩場には深い割れ目や断崖も多く、足元のコンディションや天候次第では非常に危険な環境となります。
日本のような整備された登山道とは異なり、安全設備はほとんど期待できません。

海外の山岳・トレッキング事故で気をつけることは?

今回の事故のように、海外の山岳エリアでの事故は捜索・救助に多大な時間と費用がかかります。
また、遺体の搬送費用も含めると、高額な費用が遺族に請求されることがあります

現地ガイドの帯同を徹底する

パキスタン北部の山岳地帯は整備された登山道が少なく、地理に不慣れな外国人がコースを外れると遭難リスクが急上昇します。
今回の事故でも、ガイドと別れた後に行方不明となっています。
現地の信頼できるガイドを常に帯同し、絶対に単独行動をとらないことが基本です。

高山病・体調管理に注意する

標高3,000メートルを超えると、高山病(頭痛・吐き気・めまい)のリスクが高まります。
高山病が進行すると判断力が低下するため、転落事故につながる危険性もあります。
急激に高所へ移動せず、体調の変化に敏感になることが大切です。

海外旅行保険に加入し、救援者費用をカバーする

海外での山岳事故では、捜索・救助にヘリコプターが使用されることも多く、その費用は数百万円規模に達する場合があります。

また、遺体の現地からの搬送費用も数百万円ととても高額になります。
海外旅行保険の「救援者費用」「遺体搬送費用」が含まれるプランへの加入が不可欠です
クレジットカード付帯の保険では補償が不十分なケースも多いため、必ず内容を確認しましょう。

過去にパキスタンでの登山中に起きた事故

2024年7月27日には世界第2の高峰K2(パキスタン・カラコルム山脈、標高8611メートル)の西壁未踏ルートに挑戦していた世界的登山家の平出和也さん(45)と中島健郎さん(39)が、標高約7000メートル付近から滑落する事故が発生しました。