高校生が自転車で起こした死亡事故で、9400万円の高額賠償判決。

2015年に高知市で起きた男子高校生(当時)による自転車死亡事故について、高知地裁は約9400万円の支払いを命じました。

この事故は、夜間に無灯火で自転車に乗っていた男子高校生が、パトカーの追跡から逃げるために時速40km以上で走行し、前方で待ち受けていた警官(25歳男性)に追突しました。
追突により転倒した警官は2ヶ月後に死亡しました。

事故当時のニュースによると、この男子高校生は警察官に所持していたタバコが見つかることを恐れて逃走したとのこと。

この男子高校生には、2017年に禁錮3年保護観察付き執行猶予5年の判決が下っています。

高額化する自転車事故の賠償費用

自転車事故による高額な賠償費用は、このケースが初めてではありません。

2013年には、事故当時小学5年生だった男子児童が加害者となった自転車事故について、「安全運転の指導を怠った」として児童の両親に対して約9500万円の損害賠償が命じられました。
男子児童はヘルメットを装着せずスピードを出したまま下り坂を走行し、歩行中の被害者(60代女性)に衝突しました。
被害者の方は事故にあってから意識が戻らない状態となりました。

自転車による高額賠償事故事例
(全国交通安全協会のサイクル安心保険より)

その他にも、下り坂をスピードを落とさないまま走行して交差点に侵入し、横断歩道を横断中の歩行者に衝突した事故で、約6800万円の損害賠償が命じられた事例もあります。
この事故で被害者は脳挫傷等で3日後に亡くなりました。

賠償費用には慰謝料の他に、将来得られるはずだった利益(滅失利益)や将来に渡る介護費用等が含まれるため、高額化の傾向にあります
「自転車だから」「加害者が子供だから」といった理由で賠償費用が安くなることはありません。

特に最近は怪我による後遺障害が残りやすい高齢者も多いですし、重さのある電動自転車もスピードが出るととても危険な乗り物になります。

安全な自転車運転はもちろん、自転車保険による備えも重要。

冒頭で紹介した事故は、夜間に無灯火で時速40km以上で自転車を走行していた加害者に完全に非があります。

しかし、どんなに気をつけて自転車に乗っていても、思わぬ事故で加害者になってしまう可能性もあります。
万が一加害者になって高額な賠償請求された時に備えて、自転車保険に必ず加入しておくとよいでしょう。

すでに条例により自転車保険の加入を義務化している地方自治体もあります。
しかし自転車保険を義務化をしている自治体であってもその加入率は100%ではありません。
自転車保険の加入率が高い自治体であっても80%未満という状況です。

自転車は自動車と異なり自賠責保険制度がないため、自転車保険に加入しなければ多額の資産がない限り被害者に対して何も補償できません。
被害者のためにも、いつ加害者になるか分からない自分や家族のためにも、自転車保険は必要なのです

もちろん交通ルールを守り安全に運転することも何より大事です。「たかが自転車」と思わずに、慢心なく安全運転を心がけましょう。

この事故への様々な感想

9400万円の賠償金、ちゃんと支払われるのでしょうか
判決だけ出ても払われないなら意味がない気がします

自転車も軽車両なんだから、自動車学校の学科みたいに本標識の意味など受けさせないと。特に中高生の自転車はひどすぎる。

このことを全国の学校で知らしめて、自転車が気楽な面だけではないと伝えてほしいね
自転車には免許制度と罰則強化を組み込んでほしい。

学生の自転車は本当に危ない。私も自転車ですがスピードすごいし確認せず曲がってくるし、まじで怖い。
自分の卒業した学校は確か自転車の保険入る様言われてました。
このケースでなくてもぶつかったりする可能性あるので無保険は怖いですね。

都内タクシー運転手です。
なぜ自転車があれほどの傍若無人な運転が許されるのかどうしても分からない。何でもありの無法地帯と言っていい。

問題はその自転車が若者とは限らないことだ。
中年のオッさんもたくさんいるし、小さな子供を乗せた電動自転車の若い主婦もたくさんいる。
自動車の取り締まりがあれだけ厳格に行われていることを考えると全く理解に苦しむ。