2019年11月11日、50代の日本人男性が香港で発生している大規模デモに巻き込まれて頭部を負傷する事件が起きました。男性は出張で香港を訪れていました。
地元香港のメディアによると、男性は九龍地区の繁華街コンモックでデモ隊に襲われたとのことで、中国人か報道関係者と間違えられた可能性が高いようです。
幸いにも男性は既に治療を終えて、現地の病院から退院しています。
【香港デモで日本人男性が負傷(「テレ東京」ニュース」より)】
香港では、2019年6月より「逃亡犯罪人条例等改正案」をめぐる反政府デモが起き、今も市街地を中心に続いています。
デモは日に日に過激化しており、警察不許可のデモ活動も行われており、収束のめどは立っていません。
デモ活動に参加していた現地大学生が転落死したことによりデモはさらに激しさを増し、つい先日にはデモに巻き込まれてレンガが頭に直撃した70代の男性が死亡し、このデモでの死者は2人となりました。
外務省の「海外安全ホームページ」の渡航情報では、香港の危険情報を「十分に注意が必要」なレベルとしています。
日本人が被害にあうケースも増えつつあり、11月19日には香港を訪れていた東京農大に通う男子大学生が現地警察に拘束されました。
一般的に海外旅行保険の治療費用補償では、「戦争、その他の変乱、核燃料物質等に起因する場合」を補償対象外としています。
デモはこれらのいずれにも該当しませんので、怪我をした男性の治療費は補償対象になると考えられます
ちなみにデモに巻き込まれると、懸念すべきことはケガだけでありません。
デモの影響で空港が閉鎖されるなどの事態もあり得ます。
帰国予定日に空港が閉鎖されて帰国できない・・というケースが考えられますが、海外旅行保険では搭乗予定の交通機関の遅延・欠航・運休等、やむを得ない事情で帰国できない場合は、72時間(3日間)を限度に保険期間が自動延長されます。
ほかにも航空機が遅延する場合に負担した費用は、「旅行変更費用補償特約」や「航空機遅延費用等補償特約」の補償対象となります。
(この補償は保険会社によって扱いが微妙に異なることがあるので、事前に加入する損保会社にお問い合わせすることをお勧めします)
未だに収束が見えない香港のデモ。もし、香港へ訪れる予定のある方は、十分に注意をしてください。